現在、日本の歯列矯正治療では抜歯治療が多く選ばれています。
しかし、矯正治療技術の進歩により、非抜歯治療でも美しい矯正が可能となりました。
抜歯治療と非抜歯治療、それぞれのメリットや特徴、治療方法の違いを知り、自分に合った治療法を選択しましょう。
歯列矯正治療で最もよく行われている抜歯治療では、最大で4本の健康な歯を抜歯してすき間を作り、残っている歯を正しい位置に導きます。 抜歯するのは親知らず、または4番か5番の小臼歯です。小さな歯科医院では、抜歯の手術だけ大きな病院を紹介されることもあります。
抜歯自体は麻酔をしてから行いますので、手術中の痛みはほとんどないでしょう。
【メリット】
歯列矯正で抜歯治療を行う最大のメリットは、「見た目が美しくなること」です。
顎の骨を広げずに行う抜歯治療では、フェイスラインはシャープなままで口元をすっきりとさせてくれます。前歯が出過ぎてしまってうまく閉じられなかった口も、矯正後はきちんと閉じるようになるでしょう。
抜歯治療では、歯を抜き、すき間を作ってから矯正するため、後戻りもしにくく、矯正した状態をキープしやすいとも言われています。
非抜歯治療では、歯を抜かない代わりに歯の両端を何本か削ることがあります。削らずに歯列を後方や側面に広げることや、顎を広げることで矯正することも可能です。
非抜歯治療では、ワイヤーフレームやマウスピースを用いて治療します。 歯科医院によっては、インプラントを施し、奥歯を平行方向にずらす治療法も行っています。
【メリット】
非抜歯治療では、「歯をすべて守ることができる」というメリットがあります。 できれば自分の健康な歯を残しておきたいと望む方や、抜歯するのは怖いという方は非抜歯治療に大きな魅力を感じるでしょう。
また、非抜歯の場合には治療期間が短いのも利点の一つです。歯の移動距離が短くなるため、その分治療期間も短縮されるのです。
「歯の叢生」が強い、つまりは歯並びがきわめて悪く、歯が本来あるべきはずの位置から大きくずれて何本も生えてしまっているような場合です。
このような場合に非抜歯で治療を行うと、スペースが足りずに前歯が出っ歯になる可能性が高くなります。確かにこれでも歯並び自体は美しくなるのですが、顔を横から見ると口元が尖った状態になってしまいます。
このように「抜歯しなければ美しい仕上がりにならない」場合には、抜歯による治療が望ましいでしょう。また、顎の骨格のゆがみによって歯並びが悪いとき、抜歯をせずに治療をしようとすると外科手術が必要です。
外科手術せずに歯列矯正したい方も、抜歯治療が適しています。
歯並びがの悪さがまだ軽微な場合には、非抜歯による治療も可能です。
非抜歯治療では見た目ばかりではなく、噛み合わせの機能向上も見込むことができます。
非抜歯治療は歯が戻ってしまう、見た目が美しくならないと言われていましたが、非抜歯治療に慣れている、技術に優れた歯科医院を選ぶことにより、非抜歯でも美しい仕上がりになるでしょう。
健康な歯を抜きたくない、高齢になっても歯を気にすることなく元気に過ごしたいという方は、非抜歯治療も可能な歯科医院でカウンセリングを受けましょう。
費用 | 65万円~ |
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期間 | 半年~ |
費用 | 55万円~ |
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期間 | 1年~ |
費用 | 110万円~ |
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期間 | 2年~ |
◆歯科矯正治療の費用と期間について
矯正歯科の平均的な費用は80~120万円、期間については平均2~3年と言われています。
症状やクリニックによって費用・期間ともに変動しますので、一度問い合わせてみることをおすすめします。
◆副作用について
矯正中は虫歯や歯周病、装置の接触による口内炎などにかかりやすくなる可能性があります。
また、金属の装置による金属アレルギーなどの恐れもありますので、不安な点についてはクリニックへご相談ください。